「自衛隊の名誉に関わる」 奥田ふみよ議員の発言に小泉防衛大臣、高市総理が反論

2026年10月19日に行われた参議院予算委員会で、熊本地震の被災地支援をめぐり、いのちの党の奥田ふみよ参院議員と小泉進次郎防衛大臣、高市早苗総理の間で応酬が交わされました。

奥田氏は、被災地で水や食事に困っている人がいるとして、自衛隊による給水、入浴、炊き出し支援の拡充を要求。一方、小泉防衛大臣は、自衛隊の災害派遣や撤収は自治体からの要請に基づいて行われているとして反論しました。

奥田氏「現場の水は足りていない」

奥田氏はまず、自衛隊による給水支援と入浴支援について取り上げました。

「給水支援も入浴支援もやめたんですか。現場の水は足りていない」

さらに、井戸水や水道水の復旧のために100万円単位のお金を自腹で負担している高齢世代がいるとして、

「お金なくて困っている」と被災地の状況を訴えました。

その上で、高市総理に対し、「総理、すぐに入浴・給水支援を拡充できないか」と対応を求めたのです。

これに対し、小泉防衛大臣は強い口調で反論。

「自衛隊の名誉に関わる。今の『なにそれ』と言いたいことが目的かもしれませんけど、自衛隊の災害派遣とその災害派遣撤収は自治体の要請に基づいて行っており、それをあたかもそうではないかのように訴えるのはやめていただきたい」

自衛隊が独自の判断で支援を打ち切ったわけではなく、自治体からの要請に基づいて活動していることを強調しました。

奥田氏はこれを受け、「高市総理、答えてくれないでしょうか」と改めて高市総理に答弁を求めました。

高市総理は、「小泉防衛大臣が答えたことを申し上げようと思った」とした上で、自衛隊の撤収について、

「熊本県からの要請で撤収」と説明しました。

さらに井戸に関する支援について、「井戸の支援もこれまでなかった。初めて国として支援することを高市内閣で行った」と述べ、政府として新たな支援を行っているとしました。

奥田氏「市から弁当が出されるが凍っている」

続いて奥田氏は、被災地での食事支援について取り上げました。

「最初の1か月は民間の炊き出しも多かったが、それも減った」

さらに、「市から弁当が出されるが凍っている。においが変。食べられない」と、被災者に提供されている食事をめぐる状況を訴えました。

その上で、「熊本地震での自衛隊の炊き出しはどうなっているか」

と小泉防衛大臣に問いかけました。

小泉防衛大臣は、自衛隊の具体的な活動内容についても自治体との調整によって決まると説明しました。

「これも熊本地震の現場で活動してくれた自衛隊の士気にも関わりますから申し上げますが、自衛隊の災害派遣における具体的な任務内容も、自治体と調整をした結果、要請があったものを行っております」

その上で、「つきまして給食支援について今回要請はありませんでした」

と説明しました。

さらに、奥田氏がSNSに投稿した内容についても言及。

「先生はSNSでも『自衛隊での炊き出しが行われていないことが判明』『熊本での炊き出し活動0』と、まるで自衛隊がやるべきことをやっていない印象を与えるような投稿をされていますが、事実と全く異なります」と反論しました。

政府側の事務方からは、「給食支援については要請はありませんでしたが、『はくおうII』の要望はあって、食事付きの宿泊支援は行われた」との説明もありました。

奥田氏「自衛隊の炊き出しは0ということです」

これに対し奥田氏は、「自衛隊の炊き出しは0ということです」と発言。

議場からどよめきが起こりました。

奥田氏は、支援団体から話を聞いたとして、「自衛隊にかなう炊き出しはないと聞きました」と説明。

さらに、「45分であっという間に200食作れるんだよと」「温かいご飯が作れる」と、自衛隊の給食能力について訴えました。

被災地での生活が長期化した場合についても、「1か月で被災地はすぐ忘れられる」「2か月ごろからみんな疲弊する」「PTSDも出てくる」と指摘。

「温かいご飯があるだけでどれだけの被災者が癒やされるか」と、温かい食事を提供することの重要性を強調しました。

奥田氏はさらに、「8月から何度も自衛隊での炊き出しを熊本でと要請を出してきました」とした上で、高市総理に、「総理、今こそ自衛隊が炊き出しをすべきじゃないんですか」と問いかけました。

小泉防衛大臣から「印象を与えるような投稿」と指摘されたことについても、「先ほどから印象操作だとか言われますけども、みんな忖度して要請が出せないんじゃないんですか」と反論しました。

さらに、「総理から『要請をどんどん出して』と言えばいいじゃないですか」

「本当に地元の人たちは困っているんです」

「温かいご飯が食べたいって」

「私はその意見をここに伝えているんです」

「総理から要請を出してくださいって、訴えて下さらないでしょうか」

と、被災者の声を踏まえた対応を求めました。

高市総理「居座れということか」

これに対し、高市総理は政府による熊本県への支援について、「熊本地震発生以降、高市内閣は8月、9月、今に至っても熊本県の支援に取り組んでいます」と説明しました。

自衛隊については、「自衛隊についても『任務は終了してください』と熊本県側からあったので、その日から撤収準備を始め、速やかに撤収した」と改めて説明。

その上で、「居座れということか」

「求められていないことを無理やりやれということでしょうか」

「自衛隊の名誉に関わりますよ」

と奥田氏の主張に強く反論しました。

奥田氏「誰の名誉以前に地元の被災者が苦しんでいる」

これに対し奥田氏は、「誰の名誉以前に地元の被災者が苦しんでいる」と応じ、「一度視察に行ってください」

と高市総理に訴えました。

今回の質疑では、被災地で自衛隊による炊き出しや給水、入浴支援を拡充するよう求める奥田氏に対し、小泉防衛大臣と高市総理が、自衛隊の災害派遣は自治体からの要請を受けて実施されていると繰り返し説明しました。

一方、奥田氏は、自治体から要請が出ていないことと、被災地に支援を必要としている人がいないことは同じではないとの立場から、温かい食事や水を必要とする被災者の声を国が受け止めるよう求めました。

自衛隊の災害派遣をめぐる自治体からの要請という仕組みと、長期化する被災地での支援ニーズをどうつなぐのか。3者のやり取りでは、その認識の違いが鮮明になりました。

文:花園明

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