自衛隊への外国人登用「考えていない」 小泉防衛大臣が「現職隊員の処遇改善を優先」と明言

小泉進次郎防衛大臣は2026年9月4日の記者会見で、自衛隊への外国人登用について「考えていない」と述べました。
小泉防衛大臣が笹川平和財団の提言に言及
笹川平和財団が9月2日に小泉大臣へ手交した政策提言では、人口減少などによる人手不足への対応として、自衛隊への外国人登用の可能性を検討すべきだとする内容が盛り込まれていました。
これに対し、小泉大臣は会見で、従来から自衛隊員の応募資格を日本国籍を有する者に限っていると説明。
小泉大臣は、人材確保が大きな課題であることは認めたうえで、現時点で優先すべき対象は「今いる人」だと強調しました。
会見では、現在勤務している隊員を大切にすること、処遇を改善すること、職場環境を整えることに力を入れる考えを示しました。
新たな支援庁の設置、退職後の支援、家族を含めた生涯設計への支援などを挙げ、隊員が安心して勤務を続けられる環境づくりを進めるとしています。
自衛隊の人材確保をめぐっては、少子高齢化の影響が避けられない課題になっています。
応募者の確保、若手隊員の定着、専門人材の育成、退職後の生活支援など、対応すべき範囲は広がっています。
笹川平和財団の提言は、その中で外国人登用の可能性に言及したものです。
提言では、外国人という理由だけで一律に採用の対象外とせず、業務内容や国籍、秘密へのアクセス範囲などを慎重に整理したうえで、可能性を検討するべきだとしました。
海外の例として、一定の条件を満たした外国籍の人に軍への入隊資格を認める国があることにも触れています。
会見では、真に自衛官にしかできない仕事は何かを特定し、必要があればアウトソーシングも含めて検討する考えにも触れています。
防衛省としては、人手不足への対応を外国人登用に求めるよりも、既存の隊員を支える制度改革や業務の見直し、AIなどの技術活用による生産性向上を重視する姿勢です。
自衛隊の仕事には、国の安全保障に直結する任務が多く含まれます。
そのため、採用資格や配置、情報管理をめぐる議論は慎重にならざるを得ません。
とくに外国人登用については、人的基盤の強化という現実的な課題と、国家公務員としての位置づけ、防衛上の機密保全をどう両立させるのかが論点になります。
人手不足そのものを軽視しているわけではなく、処遇改善、業務見直し、技術活用を通じて対応する方向を示した形です。
笹川平和財団の提言は、元防衛事務次官や元統合幕僚長らが提言者に名を連ねており、防衛力の人的基盤をどう維持するかという問題を改めて可視化しました。
自衛隊の担い手をどう確保するのか。
小泉大臣の発言により、少なくとも現時点では「外国人登用」ではなく、「今いる隊員を支える改革」が防衛省の中心方針であることが明らかになりました。
文:花園明