防衛省も「宇宙を監視する衛星」打ち上げへ 航空自衛隊の宇宙監視、地上レーダーから衛星へ広がる

防衛の舞台は、陸・海・空だけではありません。宇宙空間の安全をどう守るかも、日本の防衛にとって重要なテーマになっています。
防衛省・自衛隊は、防衛と宇宙に関するシリーズ投稿の中で、宇宙を監視する衛星について紹介しました。
宇宙を監視する衛星の役割は?
【🛰防衛×宇宙🚀シリーズ㉗】
第27弾は、「宇宙(そら)を監視する衛星📷」8月11日、H3ロケット9号機により高精度な測位を提供する準天頂衛星システム「みちびき7号機」が無事打ち上げられました🎊
防衛省も今年度中にH3ロケットで衛星を打ち上げる予定です🚀その名も「SDA(宇宙領域把握)衛星」!… https://t.co/tqLfS8Hcxm pic.twitter.com/AdsdozMASv
— 防衛省・自衛隊 (@ModJapan_jp) August 21, 2026
2026年8月11日には、H3ロケット9号機により、高精度な測位を提供する準天頂衛星システム「みちびき7号機」が無事打ち上げられています。
この流れの中で、防衛省も今年度中にH3ロケットで衛星を打ち上げる予定です。
その名は「SDA衛星」。SDAとは「宇宙領域把握」を意味し、宇宙空間にある物体の状況を把握するための能力です。
航空自衛隊はすでに、地上から宇宙を観測するSSAレーダーなどを運用しています。
SSAは「宇宙状況把握」のことで、人工衛星や宇宙ごみなどの位置、軌道を把握するための仕組みです。
宇宙空間では、人工衛星同士の接近やスペースデブリとの衝突リスクがあり、安定した利用には継続的な監視が欠かせません。
今回紹介されたSDA衛星は、地上からでは把握しにくい宇宙物体の形状を、静止軌道上から近くで観測できるようにするものです。
位置や軌道だけでなく、対象の姿や特徴を詳しく確認できるようになれば、その物体がどのような目的や能力を持つのかを判断する材料にもなります。
なぜ、防衛省が宇宙を監視する必要があるのでしょうか。
現代の暮らしや安全保障は、人工衛星に大きく支えられています。
通信、測位、気象観測、情報収集など、衛星が担う役割は広がっています。
自衛隊の活動でも、部隊の位置確認、通信、警戒監視などに宇宙システムが関わります。
もし衛星が妨害を受けたり、機能を失ったりすれば、地上や海、空の活動にも影響が及びます。
宇宙空間では、各国の衛星や宇宙物体が複雑に動いています。
中には、他の衛星へ接近する能力を持つものもあります。
だからこそ、宇宙で何が起きているのかを早く正確につかむことが、防衛上の重要な備えになります。
航空自衛隊には、宇宙領域を専門に扱う部隊もあります。
2020年には宇宙作戦隊が新編され、現在は宇宙作戦群として宇宙領域把握などの任務にあたっています。
空を守る航空自衛隊の役割は、いまや宇宙にまで広がっています。
地上レーダーで宇宙を見上げ、さらに衛星で宇宙から宇宙を監視する。こうした体制が整えば、日本の衛星を守る力だけでなく、宇宙空間全体の安定利用にもつながります。
宇宙は遠い世界に見えるかもしれません。
しかし、スマートフォンの位置情報や天気予報、通信インフラなど、日常生活のすぐそばにあります。
その宇宙を安全に使い続けるため、防衛省・自衛隊の取り組みも新たな段階に入っています。
「宇宙を監視する衛星」は、未来の話ではありません。日本の安全を支える現場の一つとして、宇宙領域の重要性はこれからさらに高まっていきます。
文:花園明