無人機やAIだけではない 防衛省がイラン情勢から読み取った「4つの戦い方」

防衛省・自衛隊は公式Xで、「なぜいまシリーズ」の第21弾として、イラン情勢でみられた戦い方や課題への対応について紹介しました。

イラン情勢で目にした戦い方とは?


近年の戦闘では、無人機やAIといった新しい技術が注目されることが増えています。

一方、防衛省が今回示した内容を見ると、現代の戦い方は単純に「新しい装備へ置き換わった」というものではないようです。

イラン情勢では、AIなどの先端技術を活用した新しい戦い方がさらに洗練された一方で、地形を生かした従来型の戦い方も引き続き使われました。

つまり、新旧の手法が同じ戦場で併存していることになります。

防衛省が挙げた特徴の一つが、無人機の大量運用です。

無人機は有人航空機と比べて運用の自由度が高く、偵察や攻撃など幅広い用途で使用できます。

さらに、多数を同時に運用すれば、相手側に継続して対応を迫ることもできます。

今回の資料でも、イラン情勢でみられた特徴として「無人機の大量運用」が最初に挙げられています。

単独の高性能装備だけではなく、数を組み合わせて相手の防空能力に負担をかける戦い方が重要になっていることが分かります。

もう一つが、AIなどの先端技術の活用です。

情報収集、分析、目標の把握など、戦闘では短時間に大量の情報を処理する必要があります。

こうした場面でAIをはじめとする技術を取り入れることで、判断や対応を迅速化する動きが進んでいます。

防衛省は、こうした新しい戦い方がイラン情勢でさらに洗練されたと説明しています。

ただし、先端技術を導入すればそれだけで優位に立てるわけではありません。

装備や通信を継続して使い続けるための態勢も欠かせないためです。

資料では、「継戦能力の確保・維持」も特徴として挙げられました。

戦闘が長期化すれば、弾薬や燃料、部品などを継続して確保しなければなりません。

どれほど高性能な装備を持っていても、補給が途絶えれば運用を続けることはできません。

そのため、戦闘能力そのものだけではなく、必要な物資を確保し、部隊を継続して動かす仕組みも重要になります。

現代戦では、前線での戦闘だけではなく、その後方を支える補給や整備まで含めて能力を考える必要があります。

先端技術が使われる一方で、防衛省は「地の利を活かした戦い方」も特徴として紹介しました。

山岳地帯や都市部など、地形の特徴を利用して戦う方法は古くから存在します。

技術が高度化しても、実際に戦闘が行われる場所の地形や環境が重要であることに変わりはありません。

新しい技術と、昔から使われてきた戦術。

両方が同じ戦場で組み合わされていることが、現在の戦い方の特徴の一つといえそうです。

防衛省は、こうした特徴や課題に対応するため、「防衛力の変革・抜本的強化」と「同盟国・同志国との連携の強化」を検討するとしています。

日本だけであらゆる事態に対応するのではなく、米国をはじめとする同盟国や同志国との連携を深めることも重要になります。

無人機、AI、継戦能力、そして地形を利用した従来型の戦術。

戦い方が複雑になる中、防衛省はこれらを踏まえながら、日本の防衛力をどのように整備するか検討を進めています。

一見すると無人機やAIに目が向きがちな現代戦ですが、防衛省の説明からは、従来型の戦術や補給能力まで含めて考える必要があることが見えてきます。

文:花園明

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